2024/05/24 16:15

Bellota(べリョータ)は、ベビーのハイキングブーツです。


ベビー用ブーツの構想はハルのファーストシューズを作り始めた時からありました。

ですが、以前にも書かせてもらったように、ファーストシューズは裸足のままのような、柔らかな素材で作る方が良いだろうと考えたため、しっかりとした作りのブーツはひとまずは見送ったのです。


ハルの歩きがどんどん上達してきた夏ごろ、一緒に近くの森へ散歩に行く機会が増えてきました。

市販のスニーカーを履かせてはいましたが、斜面でずるずる滑ってしまう様子を見ていて、そろそろ一緒に遊ぶための靴を作らないとなと考え始めました。

その先には、来春に計画していたニュージーランド旅行で、一緒にハイキングを楽しむということも見据えていました。


Bellotaの制作は、オリジナルのラスト(靴木型)作りから取り掛かりました。

足を締めつけすぎることなく、それでいてキレイで可愛らしいフォルムにしたかったからです。


デザインは、親子でお揃いにできたらいいなあと思ったので、Hyonosen(ヒョウノセン)をベースにアユミさんが考えました。

一枚の革で足を包むようなシンプルな造形は残しつつ、脱ぎ履きをしやすいように面ファスナーを取り入れています。

軽快に歩けるようにと、ライニングなど不要かなと思うところは取り除いたり、強度を下げすぎない程度に革に漉き加工を施して軽量化を図りました。

オイルレザーなので、汚れても洗えばキレイになり、もちろんメンテしながら使い込むほど味わいを増していきます。


多くのワークブーツやミリタリーブーツなどで使われている信頼性の高いソールの意匠に”タンクソール”というものがあります。

Bellotaにはその模様にちなんだVibram社のtankというソールを使うことにしました。

これはVerano(べラーノ)にも使っている軽くて滑りにくい素材で、山道をガシガシ歩くのに最適です。

ソールの厚みは8ミリ程度と薄くて柔らかな作りにしてあり、ヒールもフラットなので裸足に近い履き心地なのも特徴です。


最終モデルのテストは、今年3月に訪れたニュージーランドでした。

もうすぐ2歳になるハルは、Bellotaを履いて、トレイルだけじゃなく、砂浜、公園の芝生、石畳の街など、どこでも自分の足で楽しそうに歩いてくれました。

いろんなところを遠慮なく一緒に歩けたのは忘れられない思い出です。


名前の由来ですが、その時、向こうの季節は秋の始まりでした。

アーサーズパス国立公園の森で、ボクらを引っ張るように歩いていたハルが急にしゃがみ込んで、何かを手で触り始めました。

なんだろうと思って近づくと、どんぐりを拾っていました。

その様子が自由で、のびのびとしていて、なんともとても子どもらしく思えて、このブーツの名前は”どんぐり”にしようと決めました。

その後に色々考えて、ボクらに馴染みがあって、響きも気に入ったスペイン語のBellotaとしました。


Bellotaは普段遣いから山遊びまでなんでもこなせる丈夫なブーツです。

きっと一人では履き潰せないので、何人もの子どもに引き継がれることだと思います。

そして何組もの親子が一緒に森歩き、どんぐり拾いを楽しんでもらえたら最高ですね。