2024/11/11 14:22



10月上旬に黒部源流を歩いたハイキング。

相棒のブーツは「Hyonosen」でした。

これまで今春のニュージーランドをはじめ、八ヶ岳や八甲田山などいろいろ連れて行きましたが、1、2泊がほとんど。

1週間想定の縦走は実は初めてで、”フィールドテスト”としてもワクワクしながらの一人旅でした。


長期になると気になるのは天気です。

いつも天気が悪い日は山行を避けているのですが、1週間もいるとやはり雨の日はあります。

これまでの経験上、防水性のあるオイルレザーを使ったブーツは、パラパラと雨に降られても1日くらい何の問題もないことは実証済みです。

ですが、何時間も大雨にさらされるとさすがに内部まで滲てきます。


作り手として気になっていたのは、

①気温の低い高山でブーツが濡れても、足をできるだけ冷やさずに歩く方法

②そのまま山で過ごしたとして、どのくらいで乾くのか

の2点です。


色々考えてみて装備に追加したのは防水ソックスでした。

結果として①の問題はこれで解決できました。

今回は5日目に大雨にあって、標高2500メートルくらいの三俣山荘に停滞したのですが、いい機会だと思って、装備を整えて散歩に出かけてみました。

晴れの時は何もなかった遠くの谷筋に、雨で幾つもの滝が白い糸のように垂れ下がっているのが見えました。

水捌けの悪い場所では、水たまりがあって思うように歩けず、仕方なくじゃぶじゃぶと音を立てて進みました。

それでも防水ソックスを履いた足は、大雨の中で濡れることも、冷えることもありませんでした。

おかげで黄く色づいた山を独り占めするような楽しい雨歩きになりました。


ところで防水ソックスは、冬にHyonosenでスノーシューをするために使ったことはありましたが、それ以外では初めてでした。

懸念の1つが”蒸れ”でしたが、秋の北アルプスは5-15℃と低温だったこともあって蒸れはなく快適でした。

ただ3時間ほど歩いた後の靴の内部は、たっぷり水を含んだ状態でした。

山小屋とはいえ、明日までにどれだけ乾くのでしょうか。


翌日は槍ヶ岳がはっきり見えるほど晴れたのですが、靴の内部は指で抑えるとまだしっとりしていました。

歩くと水分がにじみ出てきそうで、靴下が濡れるのは不快なので、そのまま防水ソックスを使用しました。

この日は竹村新道を下って、次の宿泊地である湯股までほぼ1日を歩く日程でした。

標高が下がった湯股ではやや気温も上がり、早めにサンダルに履き替え、テントの風通しの良さそうなところに置いておきました。

すると翌朝にはだいたい乾いていたので、いつものメリノソックスに履き替えて歩きました。

もう問題ありませんでした。


今回の実験(?)の捉え方はいろいろだと思いますが、革ブーツでも使い方次第でどこでも行けるなあというのが私の”発見”です。

Hyonosenというある意味クラシカルな革靴を作り始めて以来、ハイテク素材を使っていない靴でどこまで行けるかをちょっとずつ試してきましたが、また行けるところが広がったなと実感しています。

もちろん私たちは昔ながらの堅牢な革靴の作りを取り入れているだけなので、こうした結果はある意味では当たり前かもしれませんが、やはり実際に体験してみると驚きを覚えるものです。


旅のリスク管理はそれぞれですが、革ブーツを気に入っている自分としてはいい経験になりました。

長旅に出かけるのに、一足だけ持ってくならこの靴だと。